科の紹介 竹中生昌
現代都市において、上水道と下水道は必要です。生物にとって水は個体の維持に欠かすことはできません。泌尿器科は体重の60%を占める身体の水を管理する腎臓とできた尿を体外に出す通路(尿路)である尿管、膀胱、尿道の病気、さらに男性の生殖器である前立腺、睾丸などの異常を診断し、治療するところです。そのため、泌尿器科ではまず尿の検査を行います。普段は何も考えずに捨ててしまう尿ですが、この中には尿を作 る腎臓のほか、通り路である尿路の状態を示すいろいろな成分が含まれており、身体の異常を見つけ出す一番手です。また尿が出にくい、あるいは出過ぎる、漏 れるなど具合の悪い方は気楽においで下さい。以前には日本人では稀でした前立腺のガンが最近欧米なみに増えています。このガンは高齢者に多く、しかも症状 が無いため、手遅れで発見されることが多かったのですが、最近は血液検査で容易に見つけること可能となりました。そのため、年1回行なわれる市町村の健康 診断の時に一緒に血液検査を受けるだけで発見できるようになりました。また、たとえガンが見つかっても、早期であれば手術のほか、注射と薬による治療でも 十分な効果が期待できます。